• MYSTIC BOAT LIFE TOKYO BAY

船の種類 ヨットかモーターボートか?

日常 水上生活
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あなたが住もうと考えているエリアが東京湾奥以外の海であればヨットでもモーターボートでも大丈夫です。私の様な東京湾のさらに奥まったエリアであればよほどヨットが大好きでないのであれば、モーターボートをお勧めします。

まず居住性です。同じサイズ(フィート)のヨットとモーターボートを比べた場合、装備はほぼ同じですが居住性の良いのはモーターボートです。ヨットの場合は小さいサイズでも長い航海ができるよう設計されています。20fサイズのヨットでも世界一周しているヨットは沢山あります。その代わりその生活はサバイバルです。片やモーターボートはその二倍三倍のサイズでも世界一周は多分出来ません。せいぜい岸から見える範囲をチョロチョロ走る程度です。しかしモーターボートは船体(船そのもの)に小屋を乗っけた様なデザインなので船内はほぼ家です。揺れと外の水面を見なければアパートの一室と変わりません。日々の快適な居住性はモーターボートの方が有利です。

(僕が若い頃近くの桟橋に小さなヨットが泊まっていて、いつもおじさんが磨いたり整備したりしていましたが出港しているところは見たことがありませんでした。僕はおじさんにヨットはいつ直るの?いつになったら乗れるようになるの?と尋ねるとおじさんは「この船は今この瞬間からでも世界一周に出かけられるよ」っと言って笑い返してきました。その時はよく分からなかったけど、今はそれがカッコいいことなんだなと分かる気がします。)

さて次に重要なのは船のスピードです。

ヨットは何しろ遅いです。感覚的にはモーターボートの1/4位のスピードです。

東京湾奥から比較的キレイな海に出るまでモーターボートなら1~2時間ですがヨットなら半日かかります。朝起きてのんびり準備をしてキレイな海までクルージングしてランチを食べるなんてことがモーターボートなら比較的容易ですが、ヨットだとまだ薄暗い早朝に準備をして出航してもランチタイムにはもう引返す時間です。慣れないゲストが乗っていれば数時間揺れと船酔いに耐えてもらわなければなりません。それにヨットは濡れます。その横を涼しい顔をしてモーターボートなら波飛沫をたてながら猛スピードで帰れます。しかし燃料費は高いです。東京湾は世界屈指の海上交通量が多い海域です。スピードがないヨットはそれなりの経験や判断力が必要になります。

あともう一つ、ヨットはモーターボートに比べるとスプレー(波飛沫)を浴びることが多く、ずぶ濡れになることも多々あります。私も子供の頃から小さなディンギーに乗るときはいつもカッパを着ていました。普段の通学や出かける時も雨が降れば陸上でもカッパを着ていました。だから傘を持っていませんでした。未だに傘は面倒で嫌いです。水に入る事も多かったので、濡れることすらあまり気になりませんでした。しかし東京湾奥でモーターボートに乗る様になってからは海水に入るのは絶対に嫌です。濡れる事すら躊躇する様になってきました。上下カッパを着ての操船めんどくさいです。

30年前の私です。上下カッパとハーネスをつけて真剣な眼差しで操船しています。

今の私です。ポケットに手を入れて気軽に乗っていますね。でも真剣です。

東京湾は船で遊ぶにはあまり良い環境ではありません。出かけて行っても小島もなければ船を泊めて休む桟橋もほとんどありません。でもいい所も沢山あります。私は釣りをまったくしませんが、漁場としては良いらしいです。また大都会の夜景やビルの谷間の水路クルーズも最高です。こんなクルーズは都会の船乗りの特権ですね。

ただしヨットはもちろん今私が乗っている様な二階建てのボートは低い橋はをくぐれませんが背が低ければ水路を通ることができます。船の歴史や文化が定着しているスウェーデン、デンマーク、オランダ、ドイツ、フランスなどでは跳ね橋や水位調整の閘門(こうもん)式運河が多いのでかなり大きなヨットでも通行できます。

いくら住むだけと言ってもせっかく船に住むのであれば休日はのんびりクルージングもいいです。

仲間と一緒に乗るのもとても楽しいものですが、船を出す時にいちいち人を集めるのも大変です。気持ちの良い朝や仕事帰り夜ちょこっとそこまでなんて時にも一人で気軽に出せるボートサイズがお勧めです。大きければ居住性は良くなりますが一人での出し入れは難儀です。東京湾奥で考えるのであれば背の低いモーターボートがおすすめです。低い橋をくぐって運河めぐりをするのはとっても楽しいです。私が26〜28f位のモーターボートに住んでいた時は天候さえ良ければ明け方や真夜中でもしょっちゅう出港していました。東京でも真夜中の海の上は意外と星が見えます。水路は周辺ビルやる街灯があるので意外と明るいです。そんなコーヒー一杯飲む位のトータル20〜30分あるいは10〜15分の短時間でも気分転換には最高です。真夜中の離着岸や航行はものすごく神経を使い緊張するのですが全身にアドレナリンが行き渡る感じが最高です。

そのためには最低限の操船技術と交通ルールは知っておく必要がありますが、住もうとする方は船舶免許をお持ちの方なので心配ありません。出航する日を厳選すれば良いだけです。あとは慣れです。自転車と同じです。

28f前後のモーターボートであれば取り回しも楽です。一人で気ままに乗るのであれば40f位までが良いかと思います。また近年はスラスターという離着岸を容易にする機能が備わっている小型船船も増えてきていますので、3回位操船練習すればすぐに慣れます。

と言うことで、よほどヨット好きではないのであれば都会の特に東京湾奥での水上生活はモーターボートが良いです。

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